16歳の秋。日中は夏の様に暑い日だった。
学校行事のマラソン大会。
男子生徒は20km
女子生徒は10km
元々、長距離走が苦手な私は。気分が乗らないからか朝から食欲がなかった。
母が「これだけは食べなさい」と豚汁を出してくれ、なんとか完食。
なんだか具合悪い様な気もしたが、マラソン大会直後に部活動(バレーボール)の遠征を控えていた為、走らざる負えない!と決心。
苦手な長距離走を走った。
田舎道。登りが多く、しんどい、、、
朝は涼しかったのにどんどん暑くなってくる。
汗もたくさん出ていた。
ちょうど半分の地点に給水所があり、用意されていたアクエリアスを紙コップ二杯分飲んだ。
これで残り半分。頑張れるぞ!と気合を入れ
走りだした。
すると次第に汗が出なくなってきたではないか。
あれ?なんだかまずい気がする、、、
辺りは田んぼ。車もほとんど通らない場所。
走っている生徒はそれどころではなく、皆必死。
まずい、こんな所で休んでいても帰れない。
なんとか走った。止まってはいけない気がした。
すると近くに小学校。
模写をしている先生と児童2人。
「ここでなら休んでいてもなんとかなる」と思った瞬間。
ドサっ。
私は目を覚ますと全身激痛。
病院中の先生、看護師さんが痙攣している私を抑えていた。
一瞬意識は戻ったがすぐ寝てしまった様だ。
数時間後。目を覚ました。
心配そうな母。
頭が回らない私。
のどが渇いた。と水をもらうも嘔吐。
そのまま、また眠った。
次の日の朝。
何事も無かったかの様に朝はきた。が身体は全然動かない。
腕を挙げるので精一杯。
数日はトイレに行けない為、尿道に管を入れていた。
医師からの説明。
「脱水状態になり、筋肉も溶けてしまっている。肝臓にかなり負担かかっている。お酒は飲まない様に」と高校生へのジョークを交えながら。
これが脱水か。やべー。と思った。
3日ほどして歩いてよい。と許可をもらった。
歩けない。トイレまでの数メールも歩けない。
本当に筋肉が溶けてしまっていたのだと実感した。
1週間ほどで売店へ買い物に行って良いと許可をもらった。
「筋肉を動かさなきゃまずい気がする!よし、5階だけど階段を降りよう!」
3段降りた所で断念。無理だ。降りられないし、これ以上行ったら戻れない。
1ヶ月は入院していた。
退院し、部活に復帰したが身体は全然動かない。リハビリの日々。3ヶ月程でやっとバレーボール復帰。
しかし、暑い日やハードに走ると目の前がぼやけ白くなり顔色も悪くなる。
後遺症?脱水になりやすくなった?
この頃はまだ、脱水への知識もない。対処方も知らなかった。。。
高校一年生。部活バリバリしていた男が
こんなになってしまう程、脱水は怖い。
同日、愛知県で同様なマラソン大会で同い年の男子生徒は亡くなっている。。。
私が生きていられるのは
あの時「お兄ちゃんが倒れている」と発見してくれた児童と救急車を呼んでくれた先生が居てくれたからだ。
感謝しかない。
高校生時代の私に感謝を述べに行く礼儀が無かった事が悔やまれる。
脱水は怖いです。
脱水症対策で正しい方法とは一体なんだったのでしょう?途中であんなにアクエリアス飲んだのに??
今では分かる脱水症対策。
次の記事をお楽しみに。